収録曲
- かごかき
- シャンソンコミック 電話
- 歌曲集「沙羅」より 鴉(からす)
- 野の羊
- ちびつぐみ
- 歌曲集「ひぐらしのうた」より 君が欲しい
- 新年の声
- 歌曲集「永遠なるもの」より 鯉を彫る
- 初恋
- 「マチネ・ポエティクによる四つの歌曲」より さくら横ちょう
- 「五つの断章」より 舟唄
- 馬車の中で
- しぐれに寄する抒情
- 落葉松(からまつ)
- 鉾をおさめて
- 城ヶ島の雨
- かやの木山
- 出船
- 富士山見たら
- 椰子の実
- 荒城の月
演奏家
- 岡田征士郎(バリトン)
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1940年、大阪生まれ。
安則雄馬氏に師事、大阪学芸大学特設音楽課程卒業、同大学で浦山弘三氏に師事する。
卒業後、大阪府立高等学校音楽科教師として教壇に立つ傍ら、演奏活動を行い、現在は姫路学院女子短期大学教授、神戸市在住。
1940年、関西二期会公演第1回室内オペラの林光=「甘んじゃくとうりこひめ」に“じっさ”で出演。
その後、「フィガロの結婚」のバルトロ及びフィガロ、「ラ・ボエーム」のコリーネ、「ヘンゼルとグレーテル」のペーター等、男性低声歌手の役柄で数多く出演。
兵庫県から派遣されて、1988年に西オーストラリア・パースで、1989年にはアメリカ・シアトルで、近藤圭=「芦屋乙女の詩」の“ちぬの壮士”を歌う。
殊に、1991年、中村茂隆=「ひとりオペラ・のこした影」を神戸で初演、「日本語の明晰な歌いと演奏演技の演出は、洵に卓越したもの」と、半どんの会文化賞及川記念奨励賞等を受賞。
又、1993 年、東京にて平成5年度芸術祭参加公演を成し、1997年、「兵庫アートウィーク・イン東京」の公演では、「言い知れぬ感動をもたらした」と、音楽の友誌が記している。
歌曲演奏の面では、ドイツリートと日本歌曲の他に、ムソルクスキー等、ロシア歌曲もレパートリーに持ち、1977年のリサイタルで、大阪文化祭賞を、1978年には、その前年度の優れた演奏に与えられるクリティック・クラブ奨励賞を受ける。
この後、自編の歌曲集「永遠なるもの」や、「ひぐらしの歌」を、地元兵庫県の作曲家に委嘱し、岡田征士郎独唱会で発表する。
又、シューベルト=「冬の旅」、「白鳥の歌」でのリサイタルも行い、1994年には、日本シューベルト協会より派遣され、韓国シューベルト協会の演奏会に客演。
阪神淡路大震災後“震災歌曲”が生まれ、中西覚=「イモトのおっちゃん」「四丁目のまさ」を大阪、東京等、各地で演奏。
これらの曲を1999年1月にリリースされたCD「ぐっどもうにんぐ」(FMC-5035)に収録している。 - 江頭義之(ピアノ)
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京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専修を首席卒業以来、度々リサイタルを開催。
NHK洋楽オーディション合格。
NHK-FM「午後のリサイタル」等に出演。
京都音楽協会賞、田中賞、大阪文化祭奨励賞を受賞。
大阪フィル、関西フィル等と協奏曲を共演。
室内楽に於いては、ピアノ三重奏団「パトストリオ」を結成主宰。
園田高広、松野稀一、辛島輝治、元浜綏子の各氏に師事。
稲垣静一氏に和声楽、作曲を師事。
日本演奏連盟 日本ピアノ教育連盟 神戸音楽家協会 西宮音楽協会 各会員
兵庫県音楽活動推進会議に所属。
仁愛女子短期大学講師
評論
- 「レコード芸術」準推薦 喜多尾道冬氏 評
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ここに集められた日本歌曲は、全体はばらばらのようでいながら、通して聴いてみると、歌い手の気質がひとつの統一感で印象づけられもする。
力強い剛毅な声を最大限に駆使して、抒情に傾きがちな日本歌曲が、荒削りだが彫りの深いモノクロの木版画の趣きを与えられている。
抒情の襞をつくす纏綿として心情のなぞりに代わって、スケールの大きな一筆書きの揮毫といった印象もある。《電話》などに、その豪快さがよく出ている。
有名な《城ヶ島の雨》や《荒城の月》も、陰々滅々とした情緒よりは、水墨画的な構成力の気迫で聴かせようとしている。
特筆すべきは江頭義之のピアノ。
岡田征士郎の持ち味をよく理解し、思いきりのよい、スカッとする豪快さで対応している。