ベンジャミン・ブリテン歌曲集

Benjamin Britten

FMC-5074

テノール
辻 裕久
ピアノ
なかにしあかね

¥3,080 (税込)

収録曲

  1. 11月の黄昏に
  2. 真夜中のグレートウェスタン鉄道(旅する少年)
  3. セキレイと赤ちゃん(皮肉)
  4. 小さな古いテーブル
  5. コワイヤマスターのお葬式(テナーマンズストーリー)
  6. 誇り高き歌手達(つぐみ、フィンチ、ナイチンゲール)
  7. 駅舎にて(または囚人とヴァイオリンを携えた少年)
  8. 生命の芽生えの前と後
  9. ある朝早く
  10. 農場の少年
  11. ディーの陽気な粉ひき
  12. 夜霧の露
  13. とねりこのしげみ
  14. ああ せつない せつない
  15. 若く朗らかな未亡人
  16. 夏の名残の薔薇 <庭の千草>
  17. いざ 華麗なる音楽で讃えよう
  18. 今や木の葉は落ち急ぎ
  19. 海の情景
  20. ノクターン
  21. この通り裕福なのは・・・

演奏家

辻 裕久(テノール)
東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。同大学院修了。
嶺貞子、畑中良輔、中村健、小山由美の各氏に師事。
1992年渡英。英国王立音楽院大学院演奏家養成コースを、名誉ディプロマを得て修了。
ロンドンにてケネス・ボウエン氏、故ジュフリー・パ^ソンズ氏、並びにグラツィエラ・シュッティ、イヴォン・ミントン両女史に師事。
また、ザルツブルグ音楽院夏季講習会奨学金を得て、白井光子、ハルトムート・ヘル両氏に師事。
1994年、故ダイアナ妃のパトロネイジによる『メサイア』ソリストとして、ロンドン・ロイヤルフェスティバルホールにデビュー。
透明な美声と豊かな音楽性をイギリス・イヴニングスタンダード紙が絶賛したのをはじめ、1997年にはニューヨーク・カーネギーホールにデビュー。
欧米各地で、時代様式や言語、文化的背景への深い理解と表現力に高い評価を受ける。
現代音楽の分野では、イギリスの巨匠サー・ハリソン・バートウィスルの新作世界初演を始め、イギリスBBCにおいて、なかにしあかねの“3つの冬の歌” を録音、ラジオ3の人気番組“Hear and Now”にも出演した他、数々の声楽作品の初演、再演を手がけている。
日本においては1996年より毎年『英国歌曲展』リサイタルシリーズを各地で開催しイギリス歌曲の紹介に務めるほか、バッハ、ヘンデル、モーツァルト、ハイドン等、オラトリオの分野でも活躍し、CDもリリースされている。
イギリス20世紀歌曲とヘンデル作品の歌唱に対し、イギリス・グレートエルム声楽賞受賞。
第32回フランシスコ・ヴィーニアス国際声楽コンクール第3位並びに最優秀オラトリオ・リート歌手特別賞受賞。
ニューヨーク国際オラトリオ・ソリスト・コンクール入賞。
第1回松方音楽賞選考委員特別賞受賞ほか。
なかにしあかね(ピアノ)
東京芸術大学作曲科卒業。
ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ大学院にて作曲修士号を修め、1999年キングスカレッジ大学院より作曲博士号を授与される。
サー・ハリソン・バートウィスルに師事。
第66回日本音楽コンクール作曲部門第1位受賞、併せて安田賞を受賞。
フランツ・シューベルト国際作曲コンクール入賞。
英国SPNM、日本現代音楽協会新人賞、吹田音楽賞、深尾須摩子作曲賞、入野国際作曲賞ほか数々の公募、コンクールにて上位入賞、入選を重ねる。
2000年にはイタリア・ローマおよびブレスチア音楽祭において委嘱新作初演、2001年にはロンドン・クイーンエリザベスホールにおいて『ジャパン・フェスティバル2001』のための委嘱新作が初演された。
声楽伴奏法を故ジェフりー・パーソンズ、ハルトムート・ヘル各氏に師事。
テノール辻裕久との歌曲デュオとして欧米各地で実績を重ね、日本国内でも話題性豊かなトークを交えたコンサートを全国的に展開。
特に、近年注目され始めたイギリス近現代歌曲分野の伴奏者として、貴重な存在となりつつある。

評論

「レコード芸術」推薦 畑中良輔氏 評
イギリスはじめヨーロッパでの国際コンクールで実績を上げてきたブリテン歌曲のスペシャリスト。
まっすぐで純度の高い声は、中世のリュート歌曲にもふさわしく、また昔のマコーマックを思わせる音色と、ピーター・ピアーズに引き継がれる知的な解釈力を併せ持ち、今世界のイングリッシュ・テナーとして目覚ましい活躍を展開しているポストリッジへの路線を彼もまた継承している。
これまでにも<セレナード><イリュミナシオン>等など、手がけた声楽家は日本にも多いが、正統的な解釈と表現法を本場で身につけてきた声楽家はまことに少ないのである。
また、なかにしあかね(日本音コン作曲第一位)のピアノが、ブリテン語法を分析し、再構築しての作業が見事な結果を示し、さすが作曲家のピアノだと思わせた。